面白さを探求するブログ

アニメ考察、読書感想、疑問に思ったことなど

映画『メッセージ』を見た感想

つまらなかった。

なぜつまらなかったか考える。

 

宇宙人との遭遇・対話をリアルにドキュメンタリーチックにやろうとしていた。

でもそういう方向性でやるならとことんリアリティにこだわってほしかった。

例えば、中国が先制攻撃に走ろうとしたり、隊員がC4爆弾を自己判断で宇宙人に向けて爆発させたり。

地球にやってこれる文明レベルの宇宙人に敵いっこないことは中学生でもわかるだろとツッコみたくなり冷める。

 

宇宙人の意匠ももう少し工夫してほしい。THE宇宙人、という感じのタコみたいなやつがでてきたので、またこれか、となる。

これならまだ宇宙人の姿を一切映さない方が想像で補えてリアリティがある。

 

 

面白かったところは、言語の解読のプロセスがリアルだったことと、言語が時間という概念を持たずそれを人間が体感するというアイデア

実際宇宙人がきたらどうやってコミュニケーションとるのかという課題は現実的なテーマとしても面白い。

そのテーマに集中してほしかったが、筋書きに起伏をつけるためか人間同士や国同士のトラブルが邪魔をして、この映画の独自性をかき消していた。

 

 

それにしても、やっぱり軍や国の規模に発展するような筋書きは、各組織の行動の考証コストがかかる割に、無駄にプロットの自由度を奪うので百害あって一利なしだなと思う。

この件は別の記事で書くとして、そもそもこの作品がやりたかったことは宇宙人との対話成立の過程をリアルに描くというところで、それをやるために国や軍を絡ませる必要があったとは思えない。

個人あるいは少数の人数と宇宙人が秘密裏に接触するに留めていれば、もっとやりたいことに専念できたのではないかと思う。

E.T.が良い例。

 

 

まとめ:
『メッセージ』がつまらなかった原因は、事件の規模を国や軍レベルまで大きくしすぎた結果、B級アクション的なよくある展開に飲まれ、作品が持つ独自のやりたいことから遠ざかったため。